作業工程

制作の流れ

作業工程(1)
 製作の度に印刀の刃を研ぐ。印刀が鈍くても、鋭すぎてもいけない。
 また、「均一に、曇り一つあってはいけない」と細心の注意を払う。
作業工程(2)
 ハンコの設計図となる字入れ。
 紙に字体を下書きし、作業時の支えとなる「ボウズ」を机に取りつける。印材の面に下書きどおりの墨を入れる「字入れ」は「原型になる大事な部分」。朱墨で修正しながら、「設計図」を描いていく。
作業工程(3)
 彫りの作業はまず「荒彫り」から。印材を「ハサミ木」に固定し、左手親指に革を巻く。印刀を替え、印材を回転させながら前後に指を動かす。平面を立体化させる「十分の一ミリ」の世界は些細な力加減が成否を分ける。
 作業場にカリカリと削る小さな音だけが響く。
作業工程(4)
 仕上げ作業は片刃の仕上げ刀を上に向け、切っ先だけを使う。左手親指の微妙な動きも加え、なめらかに不要な部分を削り取っていく。
 印影と見比べながら字を整えれば完成となる。
財団法人 自治総合センター