プロフィール

 石工の修業は商工学校卒業後、昭和20年に石屋のメッカとして知られた旧新井市の石屋に弟子入り。足かけ7年にわたって厳しい徒弟制度の中で技術の研鑽に明け暮れた。親方や兄弟子から、手取り足取り教えてもらうというものでなく、一部始終をしっかり見つめながら技を盗み、技術を身につけていった。家業の石材店は昭和26年、22歳から父親と一緒に始めた。しかし、32歳の時に早々と父親を亡くし、家業を一身に背負うことになってしまった。  その後、昭和52年には金井さんの息子の隆(たかし)さんが18歳で石工の道を選び、家業を継ぐべく修業に入った。平成6年には石材店を有限会社に体制を変え翌年、鴨島に新しい工場を建てた。

産業分類 生活密着型技術
認定年度(平成) 平成11年
マイスターの分野 石工
氏名 金井 賢司
ふりがな かない けんじ
性別
生年月日 昭和4年4月9日(平成13年8月3日 72歳で他界)
住所 上越市西城町3丁目

作品

金井さんの作品の一部をご紹介します。

■記念碑

記念碑を手がけることが意外に多く、高田公園の時計台の台座も金井さんの作品。
■石でつくった鎖

平成9年、会社の代表権を引き継ぎ社長になった息子の隆さんは「父は肺結核のため、肺を半分とる手術をしていましたし、目も悪かったので、自分は長生きできない。だから早く仕事を引き継げと言われました」と改めて父親が残した言葉をかみしめる。
■字彫り

字彫りは、石に原書の写しを張り、たがねと石工専用のハンマーで彫っていく。金井さんは原書の特徴を忠実に表現することで定評があった。平成6年には県知事表彰も受けている。
■石工の道具

左の2本は石頭、たがね、コヤスケ、のみ、両刃。
財団法人 自治総合センター