HOME > 笠松 義一
プロフィール
約五十年の間、畳を一針一針力をこめて縫ってきたその指には大きなタコができており「これほどの指になっているのは上越でも何人いるか。長年苦労してきた証拠です。」と誇らしげに語る。
もともと先代の由蔵氏が畳業を営んでいたため、二代目として跡を継いだ。中学校卒業後、市内の畳店で修業を始めたのが昭和二十四年。
それから十五年に渡る厳しい修業で針の扱いから始まり、いろいろな人の技術を盗みながら腕を磨いてきた。
現在、県畳業組合連合会の副理事長、上越畳業組合連合会の会長。技能検定一級の確かな技術で市長賞など数々の賞を受賞。縁なし畳などの講習会を開き、後進の指導にも力を注いでいる。
「自分で本当に満足した仕事はまだしていない」と仕事への意欲満々だ。
産業分類 | 生活密着型技術 |
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認定年度(平成) | 平成9年 |
マイスターの分野 | 畳製作 |
氏名 | 笠松 義一 |
ふりがな | かさまつ よしかず |
性別 | 男 |
生年月日 | 昭和9年3月8日 |
住所 | 上越市春日新田1丁目 |
笠松さんの仕事
畳の製作作業は近年機械化が進むものの、基本は手作業。横八十八センチ、縦百七十六センチ、厚さ六センチの畳に縁をつける作業では十五センチもの針で力を込めて縫う。畳一枚につき約一時間三十分もかかる大変な作業で、力だけでなく高度な技術も必要だ。
上越市の住宅建築数は昭和五十年前後をピークに年々減少し、現在はピーク時の約半分。昔はどこの家にもあった和室がなくなりつつあることに加え、後継者不足など店をたたむ業者も増えてきたが、「和室は日本の文化で、四季にあっていると思う。厳しい状況の下、需要を掘り起こしその良さをPRしたい」と意欲的だ。
笠松さんは「新築の家に畳を納めてお客さんに『いい畳ですね』とその良さを知ってもらった時がうれしい」と話す。
(平成10年1月31日紙面記事 上越タイムス提供)