プロフィール

“産毛屋の鑷(けぬき)”の理念
 産毛屋は1610年、初代小林七郎右衛門が考案した毛抜を“稲葉形”と称し、時の朝廷(嵯峨御所)から“肥後大掾藤原喜宿”という国名官名(勅許)を賜つて毛抜を作り始めて以来、 400年近くにわたり、代々受け継がれてきた技術により、脈々と毛抜を作り続けて参りました。
 現在は製品を売ることよりも、日本の毛抜の文化を守り、伝えてゆくことを目的に活動しています。 そのために、作る作業においては、伝統的な手作りの技術を極力守り、アフターケアーにも留意をするようにしています。 売る行為に際しては、顧客に正しく毛抜の文化を伝えることができる“文化の伝達者”として対応できるように努力しています。
 産毛屋の毛抜は機械で大量生産され、大量消費されてゆく毛抜とは一線を画します。 単なる商品をこえて文化であることを理解してもらう努力をし、何十年後も現役で使われることを目指す必要があると考えています。
 産毛屋の毛抜は、単なる毛を抜くための道具ではなく、伝統の職人技が息づく、ひとつの芸術であり、日本が誇りうる文化であると考えています。
 日本の毛抜の文化を守り、次の時代に引き継いでいくことが、私の目的とするところであります。

(本文「産毛屋」提供)

産業分類 伝統的産業
認定年度(平成) 平成7年
マイスターの分野 鑷子(毛抜き)
氏名 小林 七郎右衛門
ふりがな こばやし しちろううえもん
性別
生年月日 昭和17年10月18日
住所 上越市本町7丁目

小林さんの仕事

 稲葉型と呼ばれる独特な形の毛抜きには、ひげ、白髪、鼻毛、まつげ、ようじ、えり毛抜き、とげ抜き、節抜きの八種類がある。
 自宅の裏にある作業小屋で火を起こし、材料の鉄片をのばして成型、研磨し、八種類の毛抜きが生まれる。作業小屋には伝来の大づち、小づちなど道具が並ぶ。一つひとつの道具を駆使して鉄片を仕上げていく。「どんなときでも常に左右のバランスを見ながら作業をしています。」と鉄床でつちをふるう。

(平成10年2月3日紙面記事 上越タイムス提供)

財団法人 自治総合センター