プロフィール

 中靜さんは 総桐タンス、工芸タンス、民芸家具、建具など幅広い木工製品を手がける天性の木工職人。仕上げの漆塗りも身につけ、材料選びから、粗削り、木地づくり、組み立て、彫刻、彫金まで作業の全工程を一人でこなすことで知られ、仕上がりの良さ、卓越した技術に定評がある。
 中靜さんは、中学卒業後、同市内のタンス店で修業を積んだ。その後、独立した職人仲間に誘われた店で建具の仕事、板金業の叔父の知り合いからの口添えで勤めた店では、書院障子の骨組みに松やアヤメなどの彫刻をつくるなど、技術の幅を広げていった。
 その後独立してからの、ろうそくやお香を乗せる経机などの注文が契機になり、仕上げの漆塗りにも携わるようになった。
 家具、建具のほか、漆塗りを身につけたことで、仕上げの仕事を持ち込む大工とつながりができ、神社・仏閣の彫刻ものの仕事が多く寄せられた。

産業分類 生活密着型技術
認定年度(平成) 平成12年
マイスターの分野 木工工芸
氏名 中靜 義則
ふりがな なかしずか よしのり
性別
生年月日 昭和12年3月29日
住所 上越市南本町2丁目

作品

■榊神社の彫刻

 榊神社手洗所の懸魚(げぎょ)彫刻。中靜さんは、五智国府別院の唐草絵模様と木鼻彫刻、常敬寺の懸魚彫刻、関町神明宮修復工事の水形模様彫刻、栄樹寺の大型前机なども手がけている。
 中靜さんは「1ミリの10分の1の世界」を形にする。大事なことは「ノミを常に切れるようにしておくこと」という。
財団法人 自治総合センター