プロフィール

 軍隊では飛行兵として機械の整備にも詳しかった荻原さんは終戦後、家業の自転車店を継いだ。整備の技術を生かし、倉庫などに眠っていたオートバイを譲り受け、分解・修理を手がけ動くようにして販売した。またリヤカーの製造分野に参入し、併せて独学で溶接の技術を必死で覚えた。
 優れた溶接技術を生かし、上越特有の湿った雪でも処理しやすく、屋根の雪下ろしにも使える「オギハラ式スノーダンプ」を開発。20人以上の従業員を雇い、多い時は年間8万台のスノーダンプを一貫生産し全国から注目された。そのほか、各種農機具の製作・改良にも努め、上越鉄工協同組合の副理事長としても長年尽力し、後進の指導にもあたった。
 65歳まで社長を務めた荻原さんは現在、相談役として後進をサポートしている。この間、溶接技術はガス溶接から、電気溶接、そしてロボットによる自動溶接と大きく様変わりし、「昔の技術は消えていく運命にある」という。

産業分類 生活密着型技術
認定年度(平成) 平成10年
マイスターの分野 溶接
氏名 荻原 一雄
ふりがな おぎはら かずお
性別
生年月日 昭和4年3月11日
住所 上越市稲田1丁目

作品

■オギハラ式スノーダンプ

 ヒット商品になった「オギハラ式スノーダンプ」を開発したのは昭和40年以降。冬場に売れるものをと考えた結果、目に付けたのがスノーダンプだった。上越特有の湿った雪でもくっつかない“上越仕様”として改良されたもので屋根の雪下ろしにも威力を発揮する除雪の道具としてもてはやされた。
財団法人 自治総合センター