プロフィール

 小林さんは、専門雑誌の中に広がる華やかな服飾デザインの世界にあこがれ、中学校卒業後に単身上京した。終戦後の東京はまだ混迷していたが、東大赤門前で営業する洋服店に年季奉公することができた。
 それからは修業の毎日で、朝から晩まで懸命に働き、裁断の技術は夜間学校で学んだ。紳士服の仕立て職人としてこれからという時に家庭の事情で帰郷。しばらくして高田の衣料品店に就職した。
 「テーラークラウン」の店名でに小さな店を構えたのは昭和39年。誠実で確かな仕事ぶりが評判になり、納期に間に合うかどうか心配になるくらい忙しくなったが、妻のミツエさんと二人三脚で切り盛り、充実した毎日だった。
 その後、昭和40年代後半から安い既製服が幅をきかせるようになると、小林さんの仕事も大きく変化したが、仕立て職人としての誇りを失うことはない。

産業分類 生活密着型技術
認定年度(平成) 平成11年
マイスターの分野 紳士服仕立・販売
氏名 小林 仁太郎
ふりがな こばやし にたろう
性別
生年月日 昭和8年12月25日
住所 上越市南本町3丁目

作品

■モ―ニング

 マイスター認定(平成11年度)の年に開かれた上越産業フェスティバルに出品したモ―ニング。
 体型を十分に観察するだけでなく、その人の雰囲気や好みも感じ取りながら進める小林さんならではの紳士服の仕立て技術は今も健在だ。
財団法人 自治総合センター