プロフィール

 当市の特産品「岩の原ワインケーキ」の開発者。また、昭和37年には日本航空の機内食として、日本で初めてブランデーケーキを製造したことでも知られている。
 幼いころに銀座で食べたケーキの味が忘れられず、精密機械技師を辞め22歳の時に業界へ足を踏み入れた。ケーキ屋で腕を磨くかたわら、発酵学やパンのルーツなどを独学。幼い頃に食べたあのケーキの味も7、8年がかりで自ら再現できるまでに至った。
 「自分に親方がいたり、修業中ってことはなかった。材料の産地や性質などを学問的に研究し、自分の仕事に生かしてきた」。そのため職人ではなく、技術者と呼ばれることを好む。

産業分類 生活密着型技術
認定年度(平成) 平成12年
マイスターの分野 菓子・製パン業
氏名 樋口 未酉雄
ふりがな ひぐち みきお
性別
生年月日 昭和8年3月17日
住所 上越市御殿山町

技術者・樋口さんの思い

技術者・樋口さんの思い

 これまで考案したレシピは何千種類とあるが、後継者はいない。というよりつくらないのだという。「一人一味。自分の味は自分でしかつくれない」と断言する。
 シュークリーム、クッキー、ショートケーキなど洋菓子全般をいまもすべて一つひとつ手づくりする。「おいしい」と、食べた人のにっこり微笑む顔が忘れられないという。
 「かっこよければいいと、材料の本質を生かした味が二の次になっていないだろうか」。樋口さんは現在の業界に警鐘を鳴らす。
財団法人 自治総合センター